RY COODER

Boomer's Story

アメリカ中西部から南部、さらにカリブ海を渡り南米へ旅するような懐の深い演奏が続く、72年の傑作サード・アルバム。死亡説が流れ、電気も水もないボロ小屋で再発見された時は左目も失いカポ代わりに鉛筆を使っていた、人生そのものがハードな旅というスリーピー・ジョン・エスティスほか敬愛するミュージシャンを迎え、独特の乾いた叙情と哀愁溢れるメロディが結実している、慈愛に満ちたやさしい作品。ジェリー・ガルシア、ジョン・フェイヒーを抑え、米ローリング・ストーン誌で歴代ギタリスト堂々8位に選ばれた、ニュアンス豊かなライのスライド・ギターに何度も心を鷲掴みにされる「Dark End Of The Street」が白眉で、ラストは郷愁をたっぷり含んだ最高のトレイン・ソング。奥さんスーザンによる、旅に誘われているようなポートレイトも秀逸。邦題は「流れ者の物語」。

RY COODER

Boomer's Story

アメリカ中西部から南部、さらにカリブ海を渡り南米へ旅するような懐の深い演奏が続く、72年の傑作サード・アルバム。死亡説が流れ、電気も水もないボロ小屋で再発見された時は左目も失いカポ代わりに鉛筆を使っていた、人生そのものがハードな旅というスリーピー・ジョン・エスティスほか敬愛するミュージシャンを迎え、独特の乾いた叙情と哀愁溢れるメロディが結実している、慈愛に満ちたやさしい作品。ジェリー・ガルシア、ジョン・フェイヒーを抑え、米ローリング・ストーン誌で歴代ギタリスト堂々8位に選ばれた、ニュアンス豊かなライのスライド・ギターに何度も心を鷲掴みにされる「Dark End Of The Street」が白眉で、ラストは郷愁をたっぷり含んだ最高のトレイン・ソング。奥さんスーザンによる、旅に誘われているようなポートレイトも秀逸。邦題は「流れ者の物語」。

BONNIE 'PRINCE' BILLY

Ease Down the Road

「旅」を大きなテーマにし、同じ場所に10年以上定住したことがない、ロード・ムーヴィーから抜け出したようなボニー "プリンス" ビリーことウィル・オールダム。ビョークを虜にしたのも頷ける、90年代以降のSSWの中でも確実に五指に入る、信じられないレベルのソングライティングが続くこの名義でのセカンド作品。たおやかな歌声が、旅先での長距離移動にやわらかさと温かさをきっと与えてくれる、格別な1枚。こころを浄化するように染み込むT-3,4,5の流れが絶品。

TAJ MAHAL

Music Fuh Ya'

軽やかで輝きのある余韻が美しいスティール・ドラム、開放的なカリビアン・ビートをバックに、豊潤なアメリカ民謡的エレメントが最高の高みで開花した黒いライ・クーダーことタジ・マハールの代表作。南国情緒を醸し出す、エリザベス・コットンの古典トレイン・ソング「Freight Train」のカヴァーをはじめ、蒼い海を眺めながら聴く音楽はこうであってほしいという期待を裏切らない、おおらかなダウンテンポが満載されたアルバム。

CHARI CHARI

In Time

20代は六本木WAVEに勤務し、ワールド・ミュージック売り場の伝説的バイヤーとして活躍した井上薫さんの濃厚な音楽体験が、幾つも重なり紡ぎ合いながら圧倒的な音世界を浮かび上がらせているチャリ・チャリ名義の第2作。ガムラン、インド音楽はじめ、細胞のひとつひとつに吸収されたエキゾチシズムが、しなやかで懐の深いトラック・メイキングと一体化した本作は、トライバルなクラブ・ミュージックの一つの到達点を示した傑作。雨上がりの大地の匂いがする「Aurora」は、出色の出来。

PHAROAH SANDERS

Journey To The One

レ−ベルも居も移したファラオ・サンダースの新たな創造の旅がまさにここから始まる本作は、五感のすべてを解き放ち、精神が研ぎ澄まされる旅先だからこそ聴きたい、80年にリリースされたスピリチュアル・ジャズ名盤中の名盤。クラブ・サイドから猛烈に支持された「You've Got To Have Freedom」はじめ、崇高にして深遠なトラックの数々は、旅行中の心身のバランスを取り戻してくれるはず。耐え難い孤独感におそわれた不安な夜には「Easy To Remember」を。

ALEJANDRO FRANOV

Khali

モノ・フォンタナ、フェルナンド・カブサキとともに「アルゼンチン音響派」の中心的存在、アレハンドロ・フラノフが3年掛けて制作した、強烈な異国情緒があふれる6枚目の新作。清涼感あふれるアフリカ・ジンバブエの民族楽器「ムビラ」、優美なパラグアイのハープ「アルパ」、しなやかなタイム感の「シタール」がひとつに溶け合い詩的に鳴り響くサウンドは、白昼夢のように美しく、時がたつのを忘れてしまいそうなほど。不思議な生命力が漲るメディテーショナルな1枚。

O.S.T

Sprout / Soundtrack For The Surf Movie

きらめく波と青い空とサーフボードの美しいセッションから生まれた、映画「スプラウト」。トミー・ゲレロを世に送り出した「Galaxia」のレーベル・オーナーで、映像作家、ぺインターでもある西海岸のストリート・カルチャーを代表するトーマス・キャンベルが、毎日聴いているものの中から厳選してセレクトした、彼自身の人生のサウンドトラックといってもいい本作は、オーガニックかつ自由に生きることを楽しむ幸せがいっぱいに詰まった、最高にきもちいい1枚。